親を結婚式へ呼ばないという選択肢 |「毒親」を持つ人が結婚式をするときの悩み

こんにちは、ときさめです。

私は親のことを「毒親」だと思っているので、私なりに考えた「毒親」って何だろうという疑問を深堀りする記事を書きました。
親と関係がうまくいかないなと思う理由の全てで「あなたの親が毒親だからです!」と言うつもりは全くありませんが、そもそも「毒親」という言葉の存在を知らない人、親と折り合いが悪いことを「いけないこと」だと思いつめたり悩んでいる人に、自分の親は「毒親」なのでは…?と考えるきっかけ作りがしたいと思っています。

「毒親」って文字で見るとネガティブワードだと感じませんか?
毒親という言葉を知った時、あなたにとって親はネガティブな存在なんだ、一緒に居ても良いことないんだと思えるようになってほしいです。

そして、親と仲良くなれないこと、尊敬できないこと、酷いことや痛いことをされた時に「(私は悪くない)親が悪いんだ」とあなたは思っても良いのです。
むしろ、そう思ってほしい。
自分が悪いんだっていう自責の気持ちでぎゅうぎゅうになってしまった心はとても苦しいです。
あなたは、悪くないですよ。あなたがあなた自身のことを悪くないんだって思えた時、余裕のなかった心にほんの少しずつ隙間が出てきます。

私は結婚をきっかけとして、親へ絶縁の旨を話しました。
そして、結婚式には親を含む親戚などすべて呼びませんでした。
夫は親族や友人を呼びましたが、私が招待した方は友人と恩師だけです。

もちろん、親を結婚式に呼ばないという選択は今までにないくらい悩みました。
主に夫のご両親から何度も考え直すように言われましたし、結婚式で初めて会う夫の親戚や友人たちになんて思われるのかと考えると怖かったです。

本当は、結婚式までは親との関係を続けようと思っていました。
そもそも私の中に、結婚式という晴れ舞台に親を呼ばないという選択肢はありませんでした。
でも、「親を結婚式に呼ぶのは当たり前」と考えるのって変じゃない?と夫に言われたとき、目から鱗が落ちた気分でした。

この記事を読んでいる方は、結婚式に親や親戚を呼ぶことで何かしらがあるのではないか、とあれこれと考えて悩んでいるのかと思います。
「あれこれ」の部分はいろいろな事情がありますよね。

私の場合、親も親戚も厄介なことこの上ないという感じでしたし、何度か行ったことがある親戚の結婚式はそれはもう酷いものでした。
披露宴中に「あの新郎(新婦)どうなの?」というパートナーさんを貶す会話から始まり、「あの親戚なんなの?」というご親族に何かと文句を探し、「あれが友達?」と上から下まで品定めするように見た後に悪く感想を言います。
それでも飽き足らず「料理がまずい」「式場スタッフの対応が悪い」「何この引き出物?しょぼい」「つまんない」「早く帰りたい」などなど。
これが私の親戚たちです。なんていうか、不幸な結婚式ですよね。
親戚もこんな感じなので、親もまったく同じです。どうしようもないです。

そんな感じの結婚式を見てきたので、自分の結婚式に親や親戚を呼ぶことに不安しかありませんでした。
しかも、不安だと思う理由はこれだけではなかったのでなおさら。

私には私なりの親(や親戚)を結婚式に呼びたくないな、不安だなと思う理由があったように、あなたにはあなたなりの親を呼びたくない理由、不安だと思う経験があります。
でも、あなたは悩んでいるわけですよね。

「結婚式に親を呼ばない」という選択肢は、恥ずかしいとか、世間的にどうなんだろうとか、まともな選択ではないとか
、とても親不孝だとかそんな風に思っていませんか?

果たしてそうでしょうか。
少なくとも私は、自分の結婚式に親と親戚を呼ばなくて良かったと思っています。
ほんの少しだけ後ろめたさはありますけど、それでも結婚式当日のことはとっても大事で、本当に楽しい1日だったと思えます。

結婚式に親を呼びたくないけど、その選択をするのが怖いと思うのも仕方がないと思います。
でも、「親を呼びたくない」という気持ちは、あなたの心の中にある正直な思いです。
その気持ちを見なかったふりするというのは、もったいないと思います。

親を結婚式に呼ばないという選択は、「毒親」持ちにとってはものすごく勇気が必要なことだと思います。
だからこそ、その選択をすることであなたは親から自立するきっかけを掴めるのではないでしょうか。

目次

  1. 「結婚式」は誰のために行うのか
  2. あなたの結婚式に心から「招待したい人」を考えよう
  3. 親を結婚式へ「呼ばない」ということ
  4. ・毒親と距離をあけると罪悪感が出てくる
    ・結論として、親を呼ばなくて良かった

1.「結婚式」は誰のために行うのか

掲題を繰り返すようですが、結婚式とは、誰のために行うのでしょうか。

ありきたりな言葉にはなりますが、人それぞれなのだと思っています。
というのも、人によって「結婚式」を行う理由は異なりますよね。

なので、「どうして結婚式をしたいと思ったのか?」を掘り返すところから始めなければいけないのかなと思っています。

私は夫から結婚式はやっても良いし、やらなくても良いよと言われていました。
私自身、幼い頃から結婚式に憧れというものをあまり抱いたことがなかったので、どうするかは本当に悩みました。
憧れを抱けなかった理由は、女として生まれたことを祖母に責められていたり、対して母は私を可愛い女の子としてお人形扱いしていたりと、女の自分にうんざりというか「女に生まれたから生き辛いんだ」と思っていたことが大きいと思います。

今でこそ、別カテゴリで20代女性の結婚なんていう記事を書くくらい楽しかったな、と思えたのでよかったよかったと安心すると同時に、自分で驚いています。
結婚式にお金を使うくらいなら海外とか旅行に行く方が健全だとか思っていたこともあります。

これは友人から言われた受け売りですが「無条件に人から祝ってもらえるのなんて生まれた時と、結婚と出産の時くらい。生まれた時はわからないんだから、貴重な結婚という機会を無駄にしちゃダメなんだよ」という言葉に純粋に納得ができましたし、何より素敵な言葉だなと思いました。

あくまでも私の場合ですが、誰かに何かを祝ってもらって嬉しかった経験ってあまり多くはありません。
幸い誕生日を祝う言葉をもらうことはありましたが、そういう「祝ってもらう日」はお祝いしてもらって嬉しかったなという気持ちのまま終えることができなかったというのが理由だと思います。
大抵、おめでとうと言われる日は親に怒鳴られたり殴られたりで散々振り回されて終わります。
いつの日からか、誕生日は適当に家の外で時間を過ごし夜遅くに帰るようになりました。
でも、そんな行動も親を怒らせるだけでしたが。

自分は、粛々と生きていかなければいけないとか、厨二病が溢れるようなことをつい最近まで本当に思っていました。
実は、まだまだそういう気持ちは抜けないのですが、前よりもマシにはなっていると思います。

結婚式をしたいと夫へ伝えたとき、夫はとても喜んでくれました。
夫のご両親も、おじいさんおばあさんも楽しみだと言ってくれました。
私の友人も恩師もぜひ参加したいと笑ってくれました。

対する私の親と親戚だけは「ふーん」という反応でした。
実家や親戚は地方の田舎に住んでいるので、「観光したい!案内して!」なんて言っているのを聞いてなんというか、心が冷めるという感覚を得ました。

親の態度にがっかりしながらも、私が「やりたい」と言ったことで、たくさんの人がおめでとう、楽しみにしてるよと声をかけてくれたことにとても励まされました。
なんだか、今まで自分は幸せになれないんだなと思っていたことが嘘みたいに心が晴れやかになりました。

その時に感じたこと、いろいろな迷いを夫へ伝えた後で相談しましたが、私は自分のために結婚式を行うという選択肢があること。

毒親持ちは、自分のために何かしようという気持ちが薄いです。
ワガママになってはいけない、親を蔑ろにしてはいけない、模範的な良い子のように振舞わなくてはいけない。

あなたは、自分のために何かをしようと思い立ち、何かをしたことはありますか?

率直に言います。
私は、自分が他の人から祝福をされたくて結婚式をしたいと思いました。

自分のために行う結婚式だと割り切って、自分がやりたくないことは徹底的にやりませんでした。
でも、参加したいと言ってくれる人たちにはたくさん喜んでもらおうと計画を立てました。

親の顔色を伺って、親が喜ぶようなことを一生懸命考えて行動してきませんでしたか?
その行動に、あなたがあなただけのことを考えてとった行動はありましたか?

あなたは、親のことばかり考えて生きていませんか?

もし、なんとなく思い当たることがあるなら、ぜひ「自分のために」結婚式を行ってください。
あなたがあなたのために企画をして、準備を進めて、当日を迎えるのです。
自分のために行うので、あなたの嫌なこと、やりたくないことは一切やらなくて良いです。
そういう経験を、あなたはするべきだと思います。

もし、あなたの親や親戚だけじゃなく誰もかれもがあなたの結婚式に難色を示すなら、彼と二人きりの結婚式を挙げても素敵だと思います。
二人だけの結婚式って増えていますよ。

どうしても、固定概念にとらわれることもあります。
でも、あなたが知らないだけで、結婚式ひとつとっても想像もしないぐらい面白い結婚式がたくさんあります。
普通とか、こうするべきとか、そんなのあなたが勝手に思っているだけかもしれません。

結婚式って誰のために行うものでしょうか。
人それぞれ理由があると思います。

皆いろんな理由を持っているなら、あなたはあなたの理由があっても良いですよね。
自分のために結婚式をしたいと思うことも、十分な理由ですよ。
ここまで読んだあなたは、「自分のために」という選択肢を知りましたね。
選択肢はたくさんあります。知った上で、もう一度考えてみてください。

どんな理由であれ、結婚式をすると決めて計画して準備して当日を迎えるのはあなたと彼です。
二人が幸せで楽しくて嬉しい1日を過ごすためには、誰のために結婚式をするのが1番でしょうか。

自分の気持ちに正直になっても良いのです。
あなたがやりたいことを尊重してください。やりたくない気持ちを大事にしてほしいと思っています。

2.あなたの結婚式に心から「招待したい人」を考えよう

結婚式に参加してもらう人を一般的なカテゴリで挙げるとしたら以下かなと思います。

・親、親戚
・友人
・会社の上司や同僚
・学生時代の恩師や先輩

こういう選択肢があるよ、というだけでどれも必須ではありません。
大事なことなので何回でも書きますが、どのカテゴリの人も必ず招待しなければいけないという決まりはありません。
結婚式に必須な参加者を強いて挙げるとすれば、あなたと彼の二人です。

それでも、結婚式に誰を呼ぶのかについてはたくさんの人が悩みます。
悩む理由は人によりけりで様々あると思いますが、根本的な理由は「普通はそうするべき」という考え方が頭の片隅にあるからではないかと思っています。

誰が言ったかはわかりませんが、上記に挙げたカテゴリに該当するメンバーを招待することが「一般的な結婚式」だと言われています。
「一般的」という言葉に強制力はありません。
ですが、「多くの人」がそういう結婚式をしていると聞くと、じゃあ自分もそうした方が良いのかなという気持ちになりますよね。
何かを決める際の進め方として、まずは他の人はどうしているのだろうと例を調べます。
わからないことなら尚のこと。

そして、一度知った「一般的」から外れた行動をとることは、悪いことのように思えたり、あなたを不安にしたりします。
だから、多くの人がとっている行動を自分がとらないことはとても勇気が必要です。

何より、大衆の選択に合わせていくと無難で楽ですよね。
「みんなやっていることだから」という理由は、十分な大義名分として誰からも受け入れられます。
よく言えば無難な選択ですし、悪く言えば思考停止です。

別に一般的な意見を採用することは悪いことではありませんし、批判するつもりもありません。
でも、あなたは一般的、当たり前だと言われている「結婚式に親を呼ぶこと」について頭を悩ませているわけですよね。

あなたの結婚式に親を参加させないという選択が簡単にできない理由はいくつもあると思いますが、1つは前項で書いたように「結婚式は誰のために行うのか」について思い悩んでいること、2つ目は「一般論から外れることが怖い」からだと思います。
最終的には自分の結婚式は自分のために行うものだと割り切ることが出来れば必然と周りの意見なんて気にしなくても良いと思えるようになると思いますが、「普通はこうするものだ」「お母さん(お父さん)はこうしているから、あなたもそうするべき」と毒親から考えの押し付けをされてきた人は特に「一般的」や「普通」といったワードにとても弱いと思います。

理不尽に怒鳴られても、殴られても、「親が怒るのは自分が悪いからだ」と自分を責めることでしか自分の気持ちを納得させることができなかった経験則から、誰かの意見から外れた行動をとることが物凄く怖くなっています。
私は、親の考えに納得ができないときに自分はこう思っていると意見をすることがありましたが、決まって「お前がおかしい」「お前は世間を知らないだけだ」「大人は皆こうしている」「お前の周りはバカだから私と同じ考えを持てないだけ」と散々言われたのでかなり疲れました。
基本的に子供を批判することで解決させる親には、反論するだけ無駄なのですよね。

あなたは、親を結婚式に呼びたくないと思いながらも、結婚式には親を呼ぶことが当たり前という一般論から外れてしまうことが怖いのです。

そんなあなたに考えてみて欲しいことがあります。
あなたが結婚式に参加させたくない親は、あなたの結婚式で笑っておめでとうと言ってくれる人ですか?
あなたが結婚することを心から喜んでくれる人でしょうか?

私の場合、夫と結婚することを伝えた日から絶縁をするまで一度もおめでとうなんて言ってもらうことはありませんでしたし、親はわざと私にお祝いの言葉を言わなかったそうです。
ついでに、「まあ、一回くらい結婚しておくのは悪いことじゃないと思うよ」なんて夫の前で言われました。
それから「さっさと別れてまたここに戻ってきたら良いよ」とまで言ってくれたので、むしろ清々しくて笑えました。
半ばやけくそ感もありますが、こんなこと言う人を結婚式に招待する必要ないよね???と強く思わせてくれたのはありがたかったです。

結婚式に親を呼ぶのが当たり前なら、はるばる遠方までスーツ着た夫を連れて結婚報告をしに行った娘におめでとうの一言くらいかけてやるのが普通だろ!?くらいは思いました。

ここまで露骨なパターンは珍しいのかもしれませんが、結婚報告をした娘にこんなこと言う親もいるのです。
おかげさまで反面教師な事例が増えていくばかりです、本当にありがとうございました。

あなたが結婚式に親を呼ばないという選択をするには、理由が必要ですよね。
わかってくれる人がちゃんとわかってくれる理由を、きっとあなたは欲しがっていますよね。

難しいことではありませんよ。
あなたが結婚式に招待するべき人は、あなたの結婚を心から祝ってくれる人です。
あなたの結婚式に参加して喜んでくれる人です。

一般論なんてどうだって良いです。
だって、あなたと彼の結婚式ですから。
あなたのための結婚式をするなら、あなたを心から祝ってくれる人だけ参加してもらわなければいけません。

そりゃあ、一般論から外れますよね。
私の親のように、子供の結婚を心から祝えない親という一般的ではない存在がいるのですから。

親が本当にあなたの結婚を喜んでくれるなら参加してもらえば良いです。
でも、そうではないと思うなら、呼ぶ義理はありませんよね。

あなたは今まで、どんなに酷いことをされても、傷つけられても親には誠実であろうとしたと思います。
いつかわかってくれるんじゃないか、いつか許してくれるんじゃないか、いつか自分を心から褒めてくれるんじゃないか。
でも、そんなことはなかったから、あなたは今結婚するにあたり悩んでいるわけですよね。
もうそろそろ期待することをやめてみても良いと思います。
あなたが期待しようとしなかろうと、親は何も変わりません。

親に褒めて欲しくて結婚式をしますか?違いますよね。
親にあなたが今まで傷ついてきたことを認めて謝って欲しいから結婚式をしますか?これも違いますよね。
結婚式をするのは、親のためではありませんよね。

あなたのために結婚式はするのです。
こう思うことができないと、きっとあなたは結婚式のことで親に振り回されます。
思ってるよりもずっとずっと疲れるし、うんざりしますよ。

私はグダグダのままはっきりと自分の心を決めることができなかったので、最初は親も招待する前提で結婚式の話を進めていました。
ですが、あれこれと口出しをされ、夫と夫ご両親を巻き込んで急遽実家へ行かせられたりして振り回され、疲れ果てました。
仕事も忙しい時だったので帰りが遅い中、毎週親からくる電話に対応し、式場にも行き、夫や夫ご両親と話を繰り返し、決めても親から文句を言われ、愚痴を言われ、夫や夫ご両親の文句を言われでうんざりしていました。
最後の方は電話に出ることもできなくなり、毎日泣くようになったり、頭痛腹痛やら体中が痛いといって体を動かせず「結婚式をやりたいなんて言わなければよかった」と泣くまでになりました。
なんていうか、精神が不安定すぎますよね。
今は笑い話ですが、実家を出て物理的に親と距離があくことでわりと平穏に生きていた私にとって、久し振りに感じた親の変な方向に突っ走っていく親の無茶苦茶なエネルギーは「毒」でしかありませんでした。

ただただ消耗するだけです。
自分の手から子供が離れていくと思った時の「毒親」のエネルギーはすごいですよ。

私のような思いをしないためにも、考えてみてください。
あなたの親はあなたの結婚を心から祝ってくれる人ですか?
あなたの結婚式を喜んでくれる人ですか?

もしそうでないと思うなら、招待しなくて良いです。
楽しかったなという気持ちのまま当日を終えられないのでは、と一瞬でも不安に思ってしまう親自体がそもそも一般的ではないのですよ。
一般的ではない人のために、一般的ではない行動をあなたがとったからと言って罪悪感を感じる必要なんてありません。

「そうすることが普通」「一般的だ」という理由に悩むのはやめましょう。
あなたが来て欲しいと思う人を正直に呼べば良いのです。

あなたに必要なのは、自分の気持ちに正直になってあなた自身を尊重してあげることですよ。

3.親を結婚式へ「呼ばない」ということ

極端な話、結婚式の必須参加者はあなたと彼!今時は多種多様、いろんな結婚式のあり方を企業が打ち出してるから、あなたのやりたい結婚式は絶対できる!大丈夫!よそはよそ、うちはうち!だから気にしないで!!!

これまでに書いたことを要約すると上記となるわけですが、それでもやっぱり親が出席しない結婚式は特殊です。
色んな人へ気を遣わせてしまうし、なんだかいろいろと考えてしまう人もいるでしょう。
「一般的」と言われることから外れる選択をするのは、そういったことを避けられないのです。

毒親と距離をあけると罪悪感が出てくる

あなたがこれまでの話を読んで、結婚式に親を呼ばないと決めたとします。
あなたは勇気を出して決心をしました。これまで「毒親」に頭を悩ませるだけだったあなたから、確実に一歩を踏み出したわけです。

では、次にあなたが何をするのかというと、何かしらの行動をもって親に「あなたは結婚式に来ないでくださいね」という意志を伝えることです。
世の中の結婚式を挙げるカップルのほとんどが親を呼ぶわけですから、「一般的」「普通は」という言葉が大好きな毒親は当然自分が結婚式に呼ばれるものだと信じています。
よもや子供の結婚式に出られないなんて、想像すらできないでしょう。

大きな一歩を踏み出したあなたは「よっしゃー私は決めた!あんな奴呼んでやらん!誰に何を言われても私は自分のために結婚式を挙げるんだ!先方のご両親だって説得してやるぞ!!!」くらいの気持ちになっていることでしょう。(私は何故か本当にこんな気持ちでした。多分、親が怖かったのだと思います)

でも、あくまでもあなたの中でだけ決めたことなので、当然親に対してアクションを起こさないと親はあなたが進んだことにすら気づきません。
なので、どんな方法でも構いませんが少なくとも親本人にはあなたの気持ちを伝えるわけですね。
ちなみに、彼との相談は何度でもしてください。そして、彼のご両親が毒親でないなら説明の場を設ける必要はあると思います。彼と彼が招待したい方については、場合によると思うので彼と相談してどう振る舞うかを決めてくださいね。

彼の反応については割愛しますが、あなたの親がとにかく外面が良くて実のところがどうかはさておき自分の子供を立派に育ててやったのは自分のおかげだと思っているような人だった場合、「一体どういうことなの!?」という反応が返ってきます。
間違いありません。他のパターンがあればむしろ教えてください。

誰のおかげでこの歳まで生きてこれたと思ってるんだ、誰が育ててやったと思ってるんだと口にすることが多い親は、人様に子供が褒められることで自分の承認欲求を満たしているのだろうなと思っています。
結婚式で「お母さん(お父さん)私をここまで育ててくれてありがとう。今の私がいるのはあなたのおかげです」とお手紙を読んでもらって自分は泣くものだと思っているそうですよ。うちの母はそう言っていました。
まだ親を呼ばないと決めあぐねていた時の私ですら、プランナーさんとの打ち合わせで「手紙は絶対に読みません」と真顔で言っていました。

毒親は、あなたを責めるでしょう。
「親がいない結婚式なんて恥さらしだ」「そんな結婚式、誰も行かない」「お前は親に対して申し訳ないと思わないのか?誰がここまで育ててやったと思ってるんだ?」「結婚式に親が行かないという意味をわかっているのか?」だいたいそんな言葉です。
責めるだけ責められますよ。

「自分のために結婚式をする」と決めたあなたを待っているのは、毒親からの攻撃に耐える日々です。
想像するまでもなく、辛いです。
そして、「私がこんなことをしなければ」とあなたは思うでしょう。

でも、責められる日々はやがて終わります。
結婚式に親を呼ばないことを告げたその日中に終わることもあるでしょうし、結婚式前日か当日まで続くこともあるかもしれません。
確実に言えるのは、いつかは終わります。

責められる時間を乗り越えると、あなたは親に責められなくても自分で自分を責めるようになります。
「毒親」を拒絶すると、あなたの中に罪悪感が生まれます。
私はなんて親不孝な娘なんだろう、私はなんて酷いことをしてしまったんだろう、親が可哀想だ。
誰に責められてもいないのに、何故か自分でそう思ってしまいます。

実は、結婚式が終わった今でも私は「親が可哀想だな」と思う気持ちを捨てきれていません。
どうしてなのかは、自分でもわかりません。
多分、こればっかりは自分の環境が変わるとか、もっと歳をとるとか時間をかけないと改善できないことなんだろうなと思っています。

前項までで、自分の結婚式だからあなたがやりたくない事は徹底的にやらなくて良いですよ。親を呼ばない結婚式という選択肢をとることはおかしくないですよ。一般論なんか気にしなくて良いですよと沢山あなたの背中を押してきました。

でも、結婚式に親を呼ばないという選択に含まれるのは、決して明るいことだけではありません。
きっと、私のように結婚式を終えた後も自分の選択に苦しむ人は少なくないと思います。
大袈裟に書きますが、一般論から外れた行いをする代償のようなものだと今は思っています。

毒親を拒絶せざるおえないというだけの話なので、決してあなたのせいではないのですが必ずしも全ての人があなたの行動を応援してはくれません。
あなたを攻撃する人は、親だけではないでしょう。
時には彼のご両親、あなたの友人、あなたの傷ついた心やあなたがそうせざるおえなかった理由を理解できない人は世の中にたくさんいます。

あなたがあなたのために行動することで、あなたはきっと沢山傷つくでしょう。
とても苦しむ選択であることに違いはありません。
それだけは、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。

結論として、親を呼ばなくて良かった

最後の最後で怖いことを書きましたが、それでも最終的に私は「結婚式に親を呼ばない」という選択をして良かったと心から思っています。
すごく辛いし苦しいし、夫のご両親と口論になりかけて泣きながら何度も話し合いもしましたし、今ふと振り返った時にもっと良い方法があったのではと罪悪感で潰れそうになることもありますが、結婚式を挙げたあの日は今まで過ごしたどの1日よりも楽しかったし嬉しかったです。
あんなに人からお祝いしてもらえる日はもうないだろうなと思えるくらい大切な日になりました。

だから、結婚式をして良かったと思っています。
どんなに苦しくても「やって良かった」と思えることで、元気がわいてきます。
悩んでも仕方ない、楽しかった気持ちや嬉しかったことは嘘ではないと思えば心を落ち着かせることができます。

あいにく、私は親を参加させなかった張本人なので参加してくださったゲストさんたちがどう思っていたのかはわかりません。
私の友人や恩師には事前に理由も含めて話をしていましたが、夫の友人たちは驚いたし戸惑いもあったそうです。
それでも、当日は特に触れずにみなさん気さくに話しかけてくれ、「おめでとう」と言ってくださったので大人な人たちばかりでよかったなと安堵したのも事実です。

きっと、私の親や親戚ではこうはいかなかったでしょうから、世の中にはこんなにも優しい人たちがいるのかと驚きました。
こんな経験をできたのも自分にとっては良い思い出です。
親を結婚式に呼んでいたら一生できない経験でした。

それから、結婚式を無事に終えた頃くらいからですが、自責でしか自分の心を納得させられなかった私の中で変化がありました。
親を呼べなかったのは私のせいではない。親の自業自得だから、可哀想なんて思う必要はない。
そう思えたことがありました。

ようはただの開き直りです。
でも、開き直ることすらできなかった今までの自分と比べれば、また大きな一歩を進めたなと思います。

親を結婚式に呼ばない選択をしても、一般論にならって親を呼ぶことにしてもどちらにしろ心労は絶えません。
どちらを選んでも1人我慢大会だと思うしかない日々が待っています。
多分、どちらもキツイです。
どうせどちらも苦しいなら、どちらを選べばあなたの後悔が少なくなるでしょうか。

質問を変えると、どちらを選べばあなたはあなたが主役の結婚式を「心から楽しかった」と笑える1日にすることができますか。

あなたと彼が主役の1日です。
あなたが一生「やって良かった」と思える結婚式を挙げられる選択をしてください。

「毒親」だとあなたが思っている親を結婚式へ呼ばないということは、いくつもある選択肢の1つでしかありません。
ただの選択肢ですが、決して軽く選べる選択でもないです。
でもきっとそんなことは、この記事を読んでいるあなたにはわかっていることだと思います。

誰のためでもなくあなたのために行動してみましょう。
その経験が、「毒親」に悩むあなたの心を軽くしてくれますよ。

まとめ

自分の気持ちの整理をしつつ「(毒)親」との関係や付き合い方で悩む人に、こんな選択をしている人も居るんだよと知ってもらえたら良いなと思って記事を書いています。
あなたが持っていたり、あなたが周りから押し付けられている常識や一般論は数ある選択肢のほんの一部だったりするかもしれません。

どうせあれこれ悩むなら、あなたが幸せになれる道を選んでいきませんか?
あなたの気持ちを尊重してほしいですし、あなたがやりたくないことを無理にやる必要はありません。

「毒親」についてもっと考えてみたいと思った方は、本を読んでみても良いと思います。
かなり衝撃的というか書いてあることがもやもやしたり、苦しくなりますが、納得できることも多いです。
もしあなたが実家で生活をしている場合は、現物があると何かあった時に困るかもしれないので電子書籍版もご検討くださいね。


毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)

今更ですが、ご結婚おめでとうございます。

私は自分の子供が結婚をするときは、誰よりもお祝いして応援できるような人間になりたいです。
あなたが親になったら、どんな親になりたいですか?
そういう視点で考えてみるのも親との関係性を決める手がかりになるかもしれませんよ。

素敵な結婚式を計画して、楽しかったとたくさん笑える1日を過ごしてくださいね。

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ときさめ

ときさめと申します。 現在は20代後半です。結婚や仕事、親など色々悩んだり考えたりしたことがあったので、自分の経験や発見をまとめた記事を読んでくれた方が少しだけ元気になれたたら良いなと思いながらブログをやっています。 食べ物やギフト、結婚式のアイディアなどもまとめています。何か参考になれば嬉しいです!

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